今年の夏はリオオリンピックがあった。
その日の朝もテレビをつけると昨日の水泳の結果を知らせるニュースをやっていた。何気なくそれを見ていたら、コメンテーターの一人が水泳の解説者にこんな質問をしていた。
「なんで水泳の選手には黒人が少ないんですか?」
衝撃だった。そんな目で水泳というスポーツをこれまで見たことがなかったので、不意にゲリラ豪雨にあった気分だった。確かに水泳の選手権で目にする選手というのは白人が多い気がするし、黒人はいたとしてもアメリカ系だったりする。
もう数ヶ月前の事なので定かではないが、この答えの解答としてテレビの水泳の解説者は水泳を行うための施設等を理由にあげていた、と思う。プールの維持費・管理費など意外とお金がかかるらしい。途上国にとって、水泳を始めさせるのは簡単だが水泳選手を育てるのは難しいことみたいだ。
所変わって、私は東大の研究室で働いている。学生の中には苦学生もいるが、裕福な家の子が多い気がする。有名私立からの進学者や医者・教授の子ども、社長の子どもに会う確率が高い気がする。環境だけが全てじゃないとは思うけど、良い教育環境にたくさん投資できる人ほど良い大学に入れるという流れは自然なことなのかもしれない。
一見するとわからない、見えない所に貧困ループ、金持ちループがあるもんだ。格差をなくそう、差別をなくそうとは口でいえても、世知辛いものだと思った。
とはいえ、こうして憂う時間ってかなり無駄なことだ。
個人的には、与えられた条件下でどのように生き抜くか、ループを脱するかといった賢さ・したたかさが一番モノを言うと思うし、自分は賢くないと思うなら何も考えずにただ楽しむしかない。