2016年12月16日金曜日

有頂天家族 二代目の帰朝

確か初夏ごろに学生の子がこの本を貸してくれた。時間はかなりかかったけれどなんとか先日読み終えることができた。本作は有頂天家族の続編で、前作も本作も京都で暮らす狸たちの一年間を描いている。そのため、起承転結でいうところの転がちょうど12月ごろにあたり、むしろこの時期に読み終えられてよかったな〜と思った。

前作でも、本作でも、主人公の矢三郎は「狸の血のしからしむるところ」と称して痛快なことをしてくれる。人生迷ったら面白い方に進めと言われてるような気がして、とても勇気がわく。

2016年12月5日月曜日

ゴッホとゴーギャン展

先日、東京都美術館のゴッホとゴーギャン展に行ってきた。
ゴッホの絵もゴーギャンの絵も生で見たことがなかったというのが動機だ。

意外だったのが、ゴッホもゴーギャンも最初から画家でなかったというところ。ゴーギャンなんて30歳過ぎてから画家になる決心をしている。
もちろん絵画への興味関心は最初からあったのだろうけど、何かを始めるのに遅すぎることはないを体現している人たちだと思った。

2016年11月22日火曜日

独り言

大学に入ってオリエンテーションで研究室見学に行った時に気づいたことがある。それは、教授はみんな独り言が多いということである。

きっと頭の良い人は独り言が多いんだな、とその時私は思った。
東大に技術員として通うようになってから、その仮説はちょっと強みを増した。
東大生の頭良い子も独り言の多い子が多い気がする。

この仮説を東大生の子に直接言ったら、「頭の中で考えていることを言葉に出すことで持論をブラッシュアップしているんです、理解が深まる」と言われて、なるほど〜と思った。

コミュニケーション能力の高い子が他人との会話でやることを、コミュニケーション能力の低い子は独り言に置き換えてやっているんだとも感じた。

私自身コミュニケーション能力に難有りなのでもっと独り言を増やしていこうと思いました。

2016年11月2日水曜日

教育をお金で買う

今年の夏はリオオリンピックがあった。
その日の朝もテレビをつけると昨日の水泳の結果を知らせるニュースをやっていた。何気なくそれを見ていたら、コメンテーターの一人が水泳の解説者にこんな質問をしていた。

「なんで水泳の選手には黒人が少ないんですか?」

衝撃だった。そんな目で水泳というスポーツをこれまで見たことがなかったので、不意にゲリラ豪雨にあった気分だった。確かに水泳の選手権で目にする選手というのは白人が多い気がするし、黒人はいたとしてもアメリカ系だったりする。
もう数ヶ月前の事なので定かではないが、この答えの解答としてテレビの水泳の解説者は水泳を行うための施設等を理由にあげていた、と思う。プールの維持費・管理費など意外とお金がかかるらしい。途上国にとって、水泳を始めさせるのは簡単だが水泳選手を育てるのは難しいことみたいだ。

所変わって、私は東大の研究室で働いている。学生の中には苦学生もいるが、裕福な家の子が多い気がする。有名私立からの進学者や医者・教授の子ども、社長の子どもに会う確率が高い気がする。環境だけが全てじゃないとは思うけど、良い教育環境にたくさん投資できる人ほど良い大学に入れるという流れは自然なことなのかもしれない。

一見するとわからない、見えない所に貧困ループ、金持ちループがあるもんだ。格差をなくそう、差別をなくそうとは口でいえても、世知辛いものだと思った。

とはいえ、こうして憂う時間ってかなり無駄なことだ。
個人的には、与えられた条件下でどのように生き抜くか、ループを脱するかといった賢さ・したたかさが一番モノを言うと思うし、自分は賢くないと思うなら何も考えずにただ楽しむしかない。

2016年10月22日土曜日

モデルルーム

家を見ることが好きで、休日に散歩をすることがある。
ひたすら歩いてマンションや戸建ての外観を眺めて中の間取りを妄想するのだ。はたから見ればかなりの不審者である。

ある日の休日夕方、スーパーへ買い物に行った帰り道にスーツ姿の男に呼び止められた。
聞くと、近くに新しくできた新築分譲マンションのモデルルーム見学をしていかないかとのことだ。新築マンションの中が見れる機会なんて滅多にない!と思い、晩ごはんそっちのけでふらふらとついて行ってしまった。

中に入るとまぁおしゃれで、とても綺麗だった。一番驚いたのが、エレベーターに「ペット」と書かれたボタンがついていたことだ。押すとエレベーターの外画面にペットと表示され、ペット同士の乗り合わせを防ぐことができるらしい。最近のマンションはハイテクだ...。

もちろん部屋の方もすてきだった。収納たっぷりの1LDK、風呂トイレ別でキッチンは3口コンロ、掃除のしやすいシンク、洗面台もきれい。すごいわくわくした。しかも営業さんから賃貸ではなく分譲マンション買う利点などを聞けて大変勉強になった。

結局2時間ほど営業さんと話したり部屋をぐるぐる見たりした。晩ごはんの食べる時間がかなり遅くなったけど、良い日だった。モデルルーム見学にはまってしまいそうと思った。

2016年10月16日日曜日

沖縄民謡を聴いた

先日、二泊三日で沖縄旅行にいってきた。初めての沖縄にとてもわくわくしたし、終始楽しい旅だった。

2日目の夜、ホテル近くの居酒屋に行ったときのことである。その居酒屋は毎日沖縄民謡の歌を演奏している、というお店だった。お酒を飲んで沖縄料理を楽しんでいるとき、お店の小さなステージに若い男性が1人立って、演奏が始まった。

そのお兄さんは島唄をはじめ、様々な民謡を演奏してくださった。私は小学生のときは合唱部、大学ではアカペラサークルに入っており、一音一音を皆と合わせるため正確にまっすぐ出すように自分を仕向けてきたので、演歌や民謡のような一音ずつ震わせるような歌い方を、生でとても近くで聴けてとても心がうきうきした。自分にはない価値観の布にくるまれた気分になった。

三線と三味線はどちらも中国の三弦という楽器がルーツらしい。同じルーツのものが枝分かれしていって、独自の進化をとげ、独自の音を出している。なんだか、生き物みたいだと思った。

2016年10月9日日曜日

薬と皮膚の感覚

心の科学7月号のとある作家の連載記事を読んだ。この作家さんは双極性障害での通院経験のある方である。記事の中で一番印象的に思ったのは、処方された薬による感覚の変化についての話だった。

2016年10月4日火曜日